ネットワークを設定しよう!!

構築中のLinuxサーバー が、 名前解決 を行うために参照するシステムの優先順位を決定するための設定です。
“/etc/host.conf”
を編集します。

“;” で始まる行はコメント行です。
“multi on” は、 構築中のLinuxサーバー が “/etc/hosts” を参照して名前解決を要求したとき、ホスト名が複数の IPアドレス を返すような場合に、全部の名前解決の結果を返すという設定です。
この設定がシステム動作に何らかの影響を与えることは稀ですのでそのままでも構いませんが、一般には “/etc/hosts” の記述順で一つのIPアドレスのみを返す振る舞いのほうがサーバー運用ではトラブルも少なく、発生した問題を解決しやすいといえます。
従ってここは設定行を削除するか、明示的に “multi off” と修正して、単独のIPアドレスを返すように設定することをお勧めします。

ところで、以前のバージョンのCentOSまでは、二行目に名前解決の仕組みの優先順の設定として、
“order 先に参照するシステム,後に参照するシステム”
というキーワードの記述がありましたが、CentOS6.2からはこの値を参照する標準パッケージがなくなり、後述する “/etc/nsswitch.conf” を参照する仕様になっているため、この記述は廃止されました。

しかしながら標準パッケージ以外のアプリケーションを利用する場合は、依然としてこの “/etc/host.conf” が参照される可能性もあるため、一応記述しておくことをお勧めします。
キーワード order とパラメータはスペースまたはTABで区切って、一行で記述します。
“参照するシステム” は、 “/etc/hosts” の記述を示す “hosts” と、 DNSサーバー の記述である “/etc/resolv.conf” を示す “bind” を、 “,” で区切って優先する順番に記述します。
このホスト機の FQDN である “web1.○○○.com” が、 WAN 空間からアクセスを受けるときは、同じくWAN空間に設置されたDNSサーバーで名前解決されますから、 それから ルーター の ポートフォワーディング 機能で “211.183.111.34→ 192.168.100.11” に変換され、このホスト機はアクセスを受けるわけです。 “web1.○○○.com→211.183.111.34”
のように、 グローバルIPアドレス を所在地情報としてアクセスを受けます。
しかし、このホスト機自身が 「自分自身の名前解決」 を行う場合には、WAN空間に設置されたDNSサーバーを参照するわけにはいきません。
なぜならこのホスト機は、 サブネット 内では “192.168.100.11” という プライベートIPアドレス を所在地情報として動作しますから、 “211.183.111.34” のようなグローバルIPアドレスを持ってこられても処理のしようがないからです。
つまり 構築中のLinuxサーバー は、
1.まず、自分自身をプライベートIPアドレスに名前解決するために、WAN空間のDNSサーバーを利用せずに”/etc/hosts”を使う。
2.次に自分自身以外(インターネット空間)の ホスト を名前解決するために、WAN空間のDNSサーバーを利用する。
という順序で名前解決を行う必要があるわけです。従って、 “/etc/host.conf” は、
multi off
order hosts,bind
と設定しておきます。
キーワードは他にもありますが、とりあえずは不要ですので説明は割愛します。

ただし先に説明したとおり、CentOS6で名前解決を必要とするアプリケーションの大部分は、この “/etc/host.conf” ではなく、以下に説明する “/etc/nsswitch.conf” を参照しますから、 “/etc/host.conf” を修正するだけではなく “/etc/nsswitch.conf” の設定も確認し、必要に応じて同じように設定しなければならない点に注意してください。